望月志乃の ひびわれたまご|ADHD主婦

大人の発達障害(ADHD)当事者のイラストレーター望月志乃が、生きづらさや”楽”について考えるブログ。

【大人の発達障害】精神科医から内部告発と「主治医の選び方」等のアドバイスを頂いたのでシェアする

どうも。ADHD診断済のうっかりママブロガー、望月志乃です。

昨日の記事を読んで下さった皆さま、どうもありがとうございました。

昨日の記事はこちら

こちらの記事に、様々なご意見・ご感想を頂きまして、その中にはなんと、現役の精神科医師からのコメントもありました(※訂正のため現在は削除済)。

その内容が、発達障害に悩む多くの方にとって、有益なものに感じましたので、ご本人の許可を得て、以下に転載させて頂きます。

※中にはショッキングな内容も含まれます。数多くいらっしゃる精神科医のうちの1人の私見、1つのケースとして受け止められる方のみ、閲覧を推奨します。

「精神科医も大して発達障害について理解できているわけではない」

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タルトタタンの記事から楽しく拝見してます。


私は精神科医として発達障害の患者に関わる機会が多いので、このブログの内容も参考にさせていただいております。

医師視点からの感想を記載いたしますので、(あくまでも広汎性発達障害を専門としていない精神科医の私見として)、ご一読いただけますと幸いです。

精神科医も大して発達障害について理解できてるわけではない、という内容です。

患者から相談を受けた際、志乃さんのブログを参考に「こういう気持ちになった?」「その時こんなこと考えた?」と聞くと、「そうなんですよ!」「今までどの先生もわかってくれなくて」「わかってもらえるとすごい楽になります」と、大変好評です。

正直なところ、ADHD患者の「時間を守れない」「ルールを守れない」等の症状は、医師の世界では許されることではなく、理解や共感が及ばないため、「そういう病気」「薬で大人しくさせてトラブルを減らそう」という程度の認識に落ち着いていきます。

精神科医でも、発達障害の専門でなければ、そういう医者(というか処方)が多いです。もちろん診察時は「あなたの気持ちはよくわかりますよ」という対応をしますが。

大人の発達障害に対する、精神科病院の実情について

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私の専門は発達障害ではありませんが、精神科というだけで多くの発達障害の方が受診されます。

程度の重い人は専門の病院を紹介しますが、当院の収益減少に繋がるため、上司から「あんなん誰が見ても変わんないし、うちでみろよ。どうせ治らないし」と言われ、紹介できない患者も複数います。

多くの精神科病院は、発達障害(特に大人)の専門ではなく、WAIS・心理検査・詳細な現病歴の確認もなく、発達障害の診断名で、大人しくなる薬をぶち込まれている患者が沢山います。

本来、発達障害というものは病気のグループの総称(※追記)で、その中で自閉傾向や衝動性などから細かく病名が分かれていますが、結構ごちゃごちゃにされています。

(※発達障害を、病気とするかは、医師・専門家によって見解が異なります。)

発達障害専門を銘打っているクリニックでも、実は精神科ではなく専門医ももっていない医師が開業した病院だったりしますし。

有名なメンタルクリニックでも、専門でもなんでもない医師が適当にストラテラを処方したりしてます。

そして、いつ受診しても診る代わりに、毎回主治医が変わってしまう病院もあります。予約していけば、同じ医師に診てもらえる場合もありますが、行ける日に行きたいという理由で、毎回、別の医師の診察を受けてしまう患者も多いです。

そういう場合は、患者から服用量の相談を受けても「来週まで様子を見ましょう」と言って、同じ処方で帰すことになります。継続して診ていないので、判断がつかないのです。

診察時間も10分以上かけられないので、話もろくに聞けません。

WAIS(※)もできずに、簡易検査と短い問診のみでADHDの診断が付いてしまう患者もかなりいます。

※志乃注釈:
WAIS(ウェイス)とは、ウェクスラー式という知能検査の一種。中でも、成人発達障害者が受けるテストは、WAIS-Ⅲ(ウェイス・スリー)と呼ばれるもの。これを受けないと、特性の凸凹や、患者がどんなことで困っているのか等が、正確に把握できない。ただし、この検査自体を疑問視する専門医もいる。

参考:ウェクスラー成人知能検査 - Wikipedia

成人発達障害者が、主治医を選ぶ時の5つの注意点

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  • 大前提として、主治医を固定する

    同じ医師に継続してみてもらわないと、薬剤や精神療法の効果判定ができません

  • 常勤の医師に担当してもらう(入院経験があるレベルの場合)

    週1とかで来てる医師の場合だと、緊急時に受診できないので。可能であれば入院もできる病院に通うのが1番ですが、通いやすく、主治医と自分の相性が合えば、外来は近くのクリニック、入院は紹介してもらうといった形でも、問題ないかと思います

  • 「カウンセリング等も含めて、発達障害の専門的な治療を受けたい」と主治医に伝える

    これをすると、医師側も専門の病院に紹介しやすくなります。紹介状に「患者よりカウンセリング等も含めた発達障害の精査加療について強い希望があったため」と書けるので。専門病院は患者でいっぱいなので、ただ紹介しただけだと「このくらい軽度ならうちではみないよ」と元の病院に帰されることもあります

  • 資格の有無を確認する

    精神保健指定医と、日本精神神経学会専門医を持っている医師は、きっちりと研修して経験も充分という証明なので、外れを引くことは少なくなります。持ってない医師はキャリアが浅い、我流でやってきた医師、持ってたけど更新が面倒でしなかった医師、無能のどれかになります。もちろんこの中にも優秀な医師はいるので、一概には言えませんが。またADHDに関してはコンサータの処方資格までを持っている医師がよいかと思われます

  • 児童思春期の場合は、児童思春期をメインに見ている精神科を受診する

カウンセリング料金はピンキリ

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カウンセリング料金はピンキリですが、4000〜10000円くらいと施設によってかなり幅があります。保険適応外なのでお金に余裕がないと厳しいです。ただダラダラと悩みを聞き流すところもあれば、日常生活における、具体的なアドバイスをしてくれるところもあります。

ストラテラへの誤解(死ぬまで飲み続ける薬ではない)

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ストラテラは死ぬまで飲み続ける薬だと誤解してる人も多いですが、製薬会社的には内服は2年以内で終了する薬です。

内服期間中に日常生活における問題点を解決し、習慣化することで、飲まなくてもトラブルなく生活できるようにする、というのが本筋です。

2年では軽快に至らず続ける場合もありますが、なんの確認もなく処方され続けている場合は注意が必要です。

ストラテラが効いている間に習慣化すべき7つのこと

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  • メモを持ち歩く

    できない人はポケットに入れる、カラビナでベルト穴に括りつけられるタイプのメモを準備し、無くさないようにするなど工夫する

  • メモをすぐに取る

    後回しにすると忘れるため、その場ですぐにメモを取る

  • 優先順位を考慮しながらメモを取る

    重要度や緊急度などを考え、やる順番の番号や印をつける、重要度によって使う色を変えるなど。
    特に、4色ボールペンを使って視覚的に分かりやすくするのは有効なようです。赤は緊急青は当日中緑は今週中、黒は月末まで等。ぱっと見で判断できるので、分かりやすいとのことでした。あとは処理したらその場でチェックを入れる、毎週日曜に緊急度を再確認するなど。

  • メモをチェックする時間を決め、チェックを習慣化する

    できない人はタイマーを利用する

  • 上記を全て行い、スケジュール管理をする

    スマホのアプリでやるようにすると楽ですが、使いこなせない人がほとんどです。スマホの着信音アラーム音を「バイブが ブーと鳴る音」に設定すると、目立たずスケジュールをチェックできるとの意見がありました。これは私もやってみましたが、電車の中で着信してもバイブが鳴ってるのと区別がつかないので目立ちません。

  • 決まった時間に起きて寝る

    できない人は、曜日ごとに時間を設定できる目覚まし時計を準備する。朝に止めてしまったとしても、翌週にまた同じ時間に鳴るように設定する。

  • トラブルが起こったら、原因を探り、対策する

    起こったトラブルを整理し、次回以降、同様のことが起こらないように対策を立て、行動をフローチャート化する。

上記が習慣化できるよう指導してます。

私のタルトタタンによって謎を解明した精神科医のコメント

いまだにネタにされる私のタルトタタン

いまだにネタにされる私のタルトタタン

blog.shinoegg.com

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 タルトタタンの記事を読む前は、「なぜレシピもあるこの程度の料理を失敗するのだろう」という興味本位でした。ですが読後は、

「200gの粉を150gにするのにこんなに悩むのか」
「カラメルソース作りに失敗しても取り返しがつくのに、慌てるとこんなになっちゃうんだ」
「こういう思考回路なのか」と、目からウロコでした。

レシピを読み全力で取り組んでも、定型発達から見れば思いもよらないところで悩み、混乱してしまう様子がよく分かりました。

(志乃注※ お菓子作りが得意な発達障害者も大勢います。発達障害者が皆、こんなんになってしまうわけではありません。なんかごめんなさい。)

私が気分安定剤を飲みたくない理由に対する、医師側の視点

アップダウンの激しさを表す図解

気分安定剤を飲んだ時の感覚のグラフ

過去記事より抜粋。詳しくは該当記事をご覧ください

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気分安定薬を飲みたくない理由の記事も興味深かったです。

医師側からすると、日頃からトラブルを抱えてる患者が来ると


「まずは薬で落ち着かせて、それから考えよう。」

「本人の希望より、自分や他人を傷つけない方が大事だし、薬を飲みたくないってのも病気が言わせてるだけ」


「飲まなければこの人は周りに迷惑をかけ続けて、結果として自分自身も傷つくことになる」


と考え、無理やり薬を飲ませがちです。


志乃さんの「延々とメリーゴーランドに乗せられてる気持ち」という例えはしっくりきましたし、気分安定薬は患者にとって、個性や人格も平らな焼け野原にする薬だということを再認識しました。

(志乃注※ 該当記事を掲載時に多くの当事者から賛同をいただきましたが、同時に一部「私も服用中だが、そんなことはなかった」というご意見も頂きました。薬には相性があり、個人差があります。)

おわりに

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コメント欄に不愉快なことを書き込む輩も多いですが、気を落とさないでください。

ブログで仰っていた通り、現状を受け入れた上で前を向き、人生をよりよくすることが肝心なのではないかと思います。

このブログが心の支えになっている患者はかなり多いと思います。
私も影ながら応援しております。

いかがだったでしょうか。

こちらのメッセージは、ご本人とコンタクトを取り、色々と確認させて頂いた上で掲載しています。

このコメントを頂いた時、「こりゃー、すごいものを頂いてしまったぞ」と思いました。あの黒いタルトタタンが、こんな風に活用されているとは全く思いませんでした。どうも、研究対象です。

医師側の実情についても、以前受けた成人ADHD向けの講義で、ある程度は知ったつもりでいましたが。こうして、実際に働いている方から赤裸々に書かれたものを拝見すると、なんというか、「うわぁ…」としか言えませんね!

目を背けたくなるような現実ではありますが、こういう裏事情を知っているのと知らないのとでは、今後がかなり変わってくると思います。

もちろん、書かれているような病院ばかりではないでしょうし、あくまでもこの医師が関わった現場に限った話という可能性もあります。

ただ、これがもし、発達障害を専門に取り扱っていない精神科界隈の実情なのだとしたら、私たちは今以上に注意深く、医師を選ぶ必要があるのでしょうね。記事中にあった、選び方の注意点をよくご確認いただき、活用していただけると幸いです。

 

最後になりましたが、このメッセージをお寄せ頂いた医師はもちろん、ご意見・ご感想を送って下さった全ての皆さまに、心より感謝を申し上げます。

 

1人でも多くの成人発達障害者に、この記事が届くことを願っています。

【追記】医師よりこの記事への反響に関するコメントを頂きました 

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